リスボンのトラム (2)

Lisboa/ Portugal

撮影: 1995/7, 制作: 2014/11, 改訂: 2019/11

続いてお届けするのはリスボンの[28]系統です。バイシャのすぐ北にある Martin Moriz(マルティン・モニス広場)と東の Prazeres(プラゼーレス)を結んでいます。サン・ジョルジェ城のあるアルファーマ地区では、トラム1台がやっと通れるような狭い坂道が連続し、これぞリスボンといった雰囲気に浸ることが出来ます。うれしいことにこの系統は、現在も同じルートで運転されています。また、併せて[12]系統もご紹介します。

R. Vitor Cordon / R. Serpa Pinto, Lisboa, 1995/7/4

1995年7月現在の路線図を再掲します。[28]系統を赤線で示しました。

		マルティン・モニス広場の北側に延びるパロマ通です。この道路はリスボンには珍しく広い道幅で、線路は上下線が両端に分かれて敷設されています。
		上掲と同じ場所で、中央分離帯の反対側を見ています。マルティン・モニス広場から出発した[28]系統が、なだらかな坂道を登っていきます。このあと、画面のずっと奥で右折すると、とんでもない世界に迷い込みます。
		ここはお城の東側、アルファーマ地区のVicente(ヴィセンテ)です。単線の狭い路地から717号が現れました。洗濯物が最高ですね。
		二条のレールが光る 薄暗い路地裏をトラムが走ります。ちなみに軌間は900mmで、大変珍しい規格です。
		屋外でイワシを焼くための七輪が玄関先に置いてあります。世界でも他に類を見ない感動の風景が続きます。
		建物と建物の間にあるわずかな空間を、トラムがすり抜けていきます。ここに電車を通そうと考えた人々がいたことに、只々驚くばかりです。
		路地を抜けると エスコーラス・ジェライス(R. Escolas Gerais)の電停です。 手前の線路はガントレットになっています。
		丘を登り詰めたところにあるのがポルタス・ド・ソル(Lg. Portas Sol)です。ここからはテージョ川やリスボンの市街が一望できます。サン・ジョルジェ城へ行くにもここが便利です。 尚、M.Monizからこの場所の1つ手前、S.Tome(サン・トメー)へ直行する[12]系統が別にあります。
		その先はリスボン大聖堂に向かって、下り坂が続きます。写真の電車は行き先がM.Moniz(モニス)になってますので、フィゲーラ広場を経由する循環の区間系統と思われます。
		ここからは先述の[12]系統です。1995年当時は麓のモニスとアルファーマの丘の上のSan Tome(サン・トメー)を行ったり来たりする、まるでケーブルカーのような短い系統でした。ここは山上側のサン・トーメです。
		こちらが山麓側のM.Moniz(モニス)です。建物の間から、[12]系統が下りてきたところです。
		[12]系統がモニスに到着するところです。上掲と同じ場所で、少し左から見ています。白黒ジャイロニー模様の旗は、リスボンの市旗です。 ※後述するように[12]系統の起点が変更になった関係で、この場所はSocorroへ名称変更されました。
		[12]系統には両運転台の車両が使われ、終点ではポールの向きを変える作業を見ることが出来ました。 現在[12]系統は、フィゲイラ広場から出発して、モニス、サン・トーメを経由してフィゲイラ広場に戻る時計回りの一方循環系統になっています。
		再び[28]系統に戻ります。 市街地の中心から少し東に位置するルア・ヴィートル・コルドンの坂道です。上りと下りの線路が別々の通りに別れる所です。狭い路地の角を曲がるためにガントレットになっています。
		上掲の場所から坂道を下りて、振り向いたところです。手前は再び登り坂になっていて、起伏の激しいところです。
		地元のワルガキどもです。トラムは格好の遊び場になっています。
		若者たちを乗せたトラムが坂道を登っていきます。丘の上で何かが起こっているようで、トラムが数台停まっているのが見えます。
		どうやら白いクルマが線路にはみ出して駐車しているようです。これではトラムは走れません。 1960年代をピークにリスボンのトラムは縮小傾向にありますが、その大きな原因に不法駐車による定時運行妨害があげられています。
		とうとう警察のレッカー車がやってきて、白いクルマを撤去しました。   リスボンのトラム(3)に続きます。