万葉線

撮影：1973～2018年　制作：2021/7

万葉線は高岡と越の潟を結ぶ鉄道で、2002年4月に第三セクターとして再発足しました。それ以前は加越能鉄道が経営していました。さらに遡ると、越ノ潟～六渡寺は富山地方鉄道の射水(いみず)線の一部でした。1966年に富山新港が開削された関係で、射水線が分断されることになり、越ノ潟以西が加越能鉄道に譲渡された経緯があります。
以下の白黒写真5点は加越能鉄道時代に撮影しました。ここが終点の越ノ潟で、駅舎の裏が富山新港に面しています。旧射水線の堀岡へはフェリーが連絡していました。
1973/10/19, 越ノ潟

上掲から振り返って西側を見ています。当時は線路が2本あり、北側の線路から新高岡(のちの高岡駅前)行きが出発していきました。ここの雰囲気は当時とあまり変わっていませんが、右側の貯木場は住宅になっています。

車庫を訪問しました。右は1961年製の7053号、左が1967年製の7075号です。基本設計は以前ご紹介した富山地鉄市内線の7000形と同じく、東京都電の8000形を参考にしています。
1973/10/19, 米島口車庫

1950年製の5022号です。元富山地鉄の5010形で、射水線や笹津線で使われていました。射水線が分断された時に加越能鉄道に譲渡された車両のうち、最後まで残った1両です。訪問時はすでに第一線を退き、除雪専用の車両になっていました。

車庫には電気機関車の姿もありました。1925年(大正14年)川崎造船所製です。
　

ここからは2005年の訪問です。すでに会社は万葉線(株)になっています。高岡駅前にあった電車のりばで、夜景を撮影しました。
2005/9/19, 高岡駅前

庄川を渡る1967年製の7071号です。電車に慣れているのか、通過するパンタグラフを気にせず鳶がとまっています。
2005/9/20, 庄川口～六渡寺(ろくどうじ)

庄川鉄橋で前年に登場した連接車、MLRV1000形を真横から撮影しました。2車体2台車の構造が良く分かります。岡山電気軌道のMOMOと同じく、100%の低床構造です。
訪問時は2編成のみでしたが現在は6編成に増え、7000シリーズの旧型車より多くなって、万葉線の主力になっています。

同じく庄川鉄橋を渡る7060形の7062号です。7060形は1965年製で、2両のみ造られました。窓配置が1カ所変則的になっています。

前夜に高岡駅前で見た7052号です。1961年に加越能鉄道が導入した7000形ですが、富山地鉄射水線に乗り入れていたため、富山地鉄の7000形と重複しないように7050番代が付与されています。奇抜な塗色は、CSデザイン学生賞受賞作です。
2005/9/20, 六渡寺

コカコーラの全面広告をまとった7075号です。
※撮影の2ヶ月後に新湊市が合併で射水市になった関係で、新湊市役所前が射水市新湊庁舎前になりました。さらに2016年に庁舎が移転したため、もう1度駅名が変わり、現在は西新湊になっています。あ～、ややこしい。
2005/9/20, 新湊市役所前

ここからは2018年の訪問です。
高岡駅前の歩道橋から、MLRV1000形を撮影しました。駅前付近は道幅が狭く、軌道は単線になっています。
2018/10/15, 高岡駅～末広町

同上地点を少し駅側から俯瞰しています。2014年に高岡駅の構内に至る線路が延長されて、乗り場が変更になりました。黄線が引かれた歩道部分が、かつての高岡駅前電車乗り場です。

高岡駅の構内に造られた新しい電停です。名前も高岡駅前から高岡駅に変わりました。車両は2009年に造られたMLRV1000形の第6編製です。
2018/10/15, 高岡駅

同じく高岡駅です。コカコーラ電車7075号がやってきましたので、乗ってみました。

コカコーラ電車の車内です。丁度高校生の下校時に遭遇しました。皆さん勉強熱心です。

駅前は単線ですが、広小路から先の米島口までは複線になっています。
市民病院前～志貴野中学校前

上掲の少し駅寄りにある単線区間です。交換設備のある電停が移動しましたが、線路はそのまま使われていて、停留所間ですれ違いすることができます。
急患医療センター前～坂下町

上掲と同じ場所で、オリジナル塗色の7073号を撮影しました。車令50年を越えていますが、ワンマン化と冷房化改造を受けて現役車として活躍中です。

MLRV1000形の第4編成は、「ドラえもん」のキャラクターが車体内外に描かれています。作者の藤子・A・不二雄氏が高岡市の出身であることに因んでいます。ピンクのドアは、「どこでもドア」を模しています。
2018/10/15, 形原町