札幌市電

撮影:1968～2006年, 制作:2021/1, 改訂:2023/10

1918年(大正7年)開業の札幌電気軌道が、札幌市電のルーツです。それまで市内交通を担っていた馬車鉄道を改軌、電化してスタートしました。1927年(昭和2年) に市営化され、最盛期の昭和30年代には全長22.7kmの路線網がありました。1972年に開催された冬期オリンピックに合わせて地下鉄が開業すると市電は縮小され、1974年には8.5kmだけが残りました。
※その後2015年12月に約450mの路線復活があり、現在では8.9kmになっています。

吹雪の中を走る札幌市電, 2006/2/25, 西15丁目

2003年と2006年に訪問した時の路線図です。西4丁目から大回りして中央図書館前を経由、すすきのへ至る1本の路線のみが残っていました。所要時間は45分でした。正式な名称は、1条線(西4～西15)、山鼻西線(西15～中央図書館前)及び山鼻線(中央図書館前～すすきの)の3本ですが、運転は通しで行われています。

※2015年に西4丁目とすすきの間450mが繋がり、環状運転になっています。

かつての札幌市電には、13編成もの連接車が走っていました。この編成は1963年に登場した最初の形式です。互いに切り離しの出来ない連接車を、札幌では連結車と呼んでいました。日本車輌の製造で、全長22.8m、定員は144人です。小生railbusが、学生時代に初めて札幌を訪問した時の写真です。　
A803+A804, 1968/8/8, 北大正門前

※津島軽便堂写真館様のサイトに、1968年に撮影した写真を多数載せていただきました。併せてご覧下さい。

		ここからは2003年訪問時の写真です。いわゆる札幌スタイルと言われる、たまご形の車両がたくさん走っていました。地場のメーカーの集合体、札幌綜合鉄工協同組合が受注したものです。札幌製の車両には200番代の局番が付いていて、製造年によって2桁目の数字が異なります。写真の241号は、1960年に造られた8両のうちの1号車です。 2003/11/9, 西8丁目～中央市役所前
		1985年から88年にかけて、川重製の新車が合計6両導入されました。VVVFインバータ制御、カルダン駆動、回生ブレーキなどを装備した、いわゆる軽快電車の仲間です。これらの新車には8500番代が付与され、製造年によって 1985年製が8501, 8502、 1987年製が8511, 8512、 1988年製が8521, 8522、となっています。 2003/11/9, 西十五丁目
		銀杏並木をバックに、8522号を流し撮りしてみました。背景の建物はNTT東日本札幌病院です。1922年(大正11年)に逓信診療所として発足した古い歴史があります。尚、現在ではNTT職員だけでなく、誰でも診療を受けることが出来ます。西十五丁目～西線6条
		S-CORTカード(札信販) の広告電車254号です。このカードは、主に北海道内の店舗で使われています。 ※同社は2009年にニッセンレンライフと合併して、ニッセンレンエスコートに改名しました。
		赤一色を纏ったコカコーラの広告電車、242号が夜の街へ向けて発車するところです。 2003/11/8, 西4丁目
		ここからは2006年に再訪した時の写真です。雪景色の中、たまご形の電車がすれ違っていきます。カーブで上下線の間隔が少し広くなっています。 2006/2/24, 西15丁目
		降雪を考慮して、電停には円弧状の屋根が付いています。乗車口は中ドアで、前ドアから降車する後払いワンマン方式です。西15丁目
		たまたま出張で立ち寄っただけでしたが、こんなに雪が降るとはラッキーでした。降りしきる雪の中で撮影を続けました。西15丁目
		夕方になって雪は小やみになってきました。薄明かりの中、やって来たのは3300形です。外観からは軽快電車に見えますが、旧330形の機器を流用して車体を更新した改造車、アルナ工機製で5両あります。西15丁目～西線6条
雪がやんで凍てつく夜の街を、歩道橋の上から撮影しました。当時は今と比べて若かったのですが、さすがに身体にこたえました。　2006/2/24, 中央図書館前
		翌朝は晴天になりました。投宿したホテルの窓から、市電の走る光景を眺めています。車両は車体更新の3305号です。 2006/2/25, 東本願寺前
		好天に恵まれたので、朝の街を散歩しながら、市電を撮影しました。車両はGoo の全面広告車、255号です。石山通～中央図書館前
		200番代を付けた札幌製の車両は、1957年から61年にかけて合計43両が造られました。57年製の200形は前面が3枚窓でしたが、翌1958年に登場した210形以降は前面が大きな曲面1枚ガラスになっています。車両両端と裾まわりが深く絞られていて、全体に丸みを帯びた形状が札幌スタイルの特徴です。中央図書館前
		上掲と同じ場所です。入庫系統の212号が渡り線を使って、折り返して行きます。車庫はこの先の電車事業所前にありますが、配線の関係でここ中央図書館前が起終点になっています。背景に雪を被った藻岩山のロープウェイと仏舎利塔が見えます。
		桑園自動車学校の全面広告車、1961年製の254号です。雪の晴れ間で、順光になっています。電車事業所前
		車庫を訪問しました。構内の敷地には、昨日の雪がたくさん残っていました。
		ブルーム式除雪車、俗称ササラ電車の雪3号です。ササラとは竹製のブラシで、回転しながら雪を掻き出します。因みにブルームとは箒(ほうき)のことです。晴天の下、丁度手入れをしているところに出会いました。
		庫内で休んでいるのはM101号です。1961年にトレーラを連結した親子電車として登場しました。その後連結器を外して単独運転になっていました。ベージュにモスグリーンの塗り分けは1970年代まで使われていたものです。不思議なことに、この車両のみ旧塗色のまま残っていました。
		2006年はトリノオリンピックの年でした。日本からは3名が出場、荒川静香選手が金メダルの栄誉に輝きました。写真はロッテの全面広告車、8502号です。冒頭の写真も同じ8502号です。 2006/2/25
参考文献：　小熊米雄「札幌市交通局」鉄道ピクトリアル, 1962年8月号臨時増刊

		ここからは2003年訪問時の写真です。いわゆる札幌スタイルと言われる、たまご形の車両がたくさん走っていました。地場のメーカーの集合体、札幌綜合鉄工協同組合が受注したものです。札幌製の車両には200番代の局番が付いていて、製造年によって2桁目の数字が異なります。写真の241号は、1960年に造られた8両のうちの1号車です。 2003/11/9, 西8丁目～中央市役所前
		1985年から88年にかけて、川重製の新車が合計6両導入されました。VVVFインバータ制御、カルダン駆動、回生ブレーキなどを装備した、いわゆる軽快電車の仲間です。これらの新車には8500番代が付与され、製造年によって 1985年製が8501, 8502、 1987年製が8511, 8512、 1988年製が8521, 8522、となっています。 2003/11/9, 西十五丁目
		銀杏並木をバックに、8522号を流し撮りしてみました。背景の建物はNTT東日本札幌病院です。1922年(大正11年)に逓信診療所として発足した古い歴史があります。尚、現在ではNTT職員だけでなく、誰でも診療を受けることが出来ます。西十五丁目～西線6条
		S-CORTカード(札信販) の広告電車254号です。このカードは、主に北海道内の店舗で使われています。 ※同社は2009年にニッセンレンライフと合併して、ニッセンレンエスコートに改名しました。
		赤一色を纏ったコカコーラの広告電車、242号が夜の街へ向けて発車するところです。 2003/11/8, 西4丁目
		ここからは2006年に再訪した時の写真です。雪景色の中、たまご形の電車がすれ違っていきます。カーブで上下線の間隔が少し広くなっています。 2006/2/24, 西15丁目
		降雪を考慮して、電停には円弧状の屋根が付いています。乗車口は中ドアで、前ドアから降車する後払いワンマン方式です。西15丁目
		たまたま出張で立ち寄っただけでしたが、こんなに雪が降るとはラッキーでした。降りしきる雪の中で撮影を続けました。西15丁目
		夕方になって雪は小やみになってきました。薄明かりの中、やって来たのは3300形です。外観からは軽快電車に見えますが、旧330形の機器を流用して車体を更新した改造車、アルナ工機製で5両あります。西15丁目～西線6条
雪がやんで凍てつく夜の街を、歩道橋の上から撮影しました。当時は今と比べて若かったのですが、さすがに身体にこたえました。　2006/2/24, 中央図書館前
		翌朝は晴天になりました。投宿したホテルの窓から、市電の走る光景を眺めています。車両は車体更新の3305号です。 2006/2/25, 東本願寺前
		好天に恵まれたので、朝の街を散歩しながら、市電を撮影しました。車両はGoo の全面広告車、255号です。石山通～中央図書館前
		200番代を付けた札幌製の車両は、1957年から61年にかけて合計43両が造られました。57年製の200形は前面が3枚窓でしたが、翌1958年に登場した210形以降は前面が大きな曲面1枚ガラスになっています。車両両端と裾まわりが深く絞られていて、全体に丸みを帯びた形状が札幌スタイルの特徴です。中央図書館前
		上掲と同じ場所です。入庫系統の212号が渡り線を使って、折り返して行きます。車庫はこの先の電車事業所前にありますが、配線の関係でここ中央図書館前が起終点になっています。背景に雪を被った藻岩山のロープウェイと仏舎利塔が見えます。
		桑園自動車学校の全面広告車、1961年製の254号です。雪の晴れ間で、順光になっています。電車事業所前
		車庫を訪問しました。構内の敷地には、昨日の雪がたくさん残っていました。
		ブルーム式除雪車、俗称ササラ電車の雪3号です。ササラとは竹製のブラシで、回転しながら雪を掻き出します。因みにブルームとは箒(ほうき)のことです。晴天の下、丁度手入れをしているところに出会いました。
		庫内で休んでいるのはM101号です。1961年にトレーラを連結した親子電車として登場しました。その後連結器を外して単独運転になっていました。ベージュにモスグリーンの塗り分けは1970年代まで使われていたものです。不思議なことに、この車両のみ旧塗色のまま残っていました。
		2006年はトリノオリンピックの年でした。日本からは3名が出場、荒川静香選手が金メダルの栄誉に輝きました。写真はロッテの全面広告車、8502号です。冒頭の写真も同じ8502号です。 2006/2/25
参考文献：　小熊米雄「札幌市交通局」鉄道ピクトリアル, 1962年8月号臨時増刊